Anticimex:コネクテッドトラップによる害虫駆除業界のデジタル革命
コネクテッドトラップを利用するインテリジェントシステムとは、どのようなものでしょうか? 環境に配慮しながら害虫を監視し、侵入にも素早く対処する仕組みをご紹介します。
ポイント
- 害虫駆除業界ではIoTを原動力とするデジタル革命が進行しており、グローバルリーダーのAnticimexがコネクティビティを導入したAnticimex Smartトラップを発売
- 設置場所に関わらず24時間体制のトラップ監視を実現
- Telenor Connexionとの提携によりグローバルなコネクティビティを導入し、現地の通信事業者との交渉を経ることなく、迅速かつ容易に新規市場に参入
- トラップ本体ではなく駆除効果を商品とみなすことにより、Anticimexでは害虫駆除の効率アップと顧客体験の向上、従来のトラップで使用されてきた毒の大幅削減を達成
- スマートトラップの導入により、収集したデータを活用して新たなビジネス価値を生み出し、警告にも素早く対処することが可能に
導入の背景
害虫駆除には長年にわたり、毒を仕込んだトラップが使われてきました。また、頻繁に現地での確認が必要だったため、AnticimexではTelenor Connexionと連携し、トラップの改良に着手しました。そしてコネクティビティ導入トラップを使用したインテリジェントシステムの開発により、作業のワークフローの改善とビジネス価値の向上、エンドユーザーにとっての利益を同時に実現したのです。
挑戦
Anticimexはトラップにコネクティビティを導入することで害虫駆除ビジネスに革命をもたらし、世界中のどこであろうと、24時間365日の継続的な監視を可能にしました。このデジタル革命には、実現すべきいくつかの課題がありました。
そのひとつが、顧客がトラップの確認やメンテナンス作業を嫌悪することでした。そこでトラップにコネクティビティを導入し、トラップをデジタルで監視できるようにしたのです。
IoTにより害虫駆除の効率が高まり、顧客体験も向上します。ここで特筆したいのは、従来のトラップで使用されてきた毒を大幅に削減することで、環境面のメリットも生じる可能性があることです。
これまでは24時間体制の害虫駆除を実現するために、トラップに対応するためのリソースを現場に配置する必要がありました。しかし、データによって状況を把握できるようになったことで、害虫侵入の規模を正確に知り、適切に対処できるようになりました。早期に害虫を捕獲することにより、対策費用がかさむ害虫のまん延を予防することができます。トラップのデータから貴重な知見が得られるため、ビジネス価値を高めることができるのです。
ソリューション
AnticimexはTelenor Connexionとの連携により、Anticimex Smartのユニットにコネクティビティを導入し、イノベーションを生み出しました。インテリジェントな害虫駆除ソリューションは、顧客が害虫駆除業者に期待できるサービスの内容を一変しました。コネクティビティ代行サービスを導入したことにより、Anticimexは害虫駆除のソリューションに革命をもたらしたのです。
「私たちがAnticimex Smartで利用している接続バックボーンは、Telenor Connexionから提供を受けています。堅牢で安全、信頼性が高く、グローバルなのが特徴です。業界をリードするTelenor Connexionとのパートナーシップのおかげで、比較的容易に新市場に参入することができました。彼らのサポートとトラブルシューティングのレベルは世界トップクラスであり、必要なときはいつでも彼らが質問に答え、サポートしてくれます」”
– AnticimexグループCTO Ulf Eripe氏
Anticimex SmartソリューションのIoT機能により、「機械による自動化」と「専門家の知見」の両面におけるメリットを顧客に提供できるようになりました。Anticimex Smartはネズミの侵入に効率よく対処できて環境にも優しく、予防的でインテリジェントな害虫駆除ソリューションです。コネクティビティ代行システムとユニット式トラップやセンサー類が、顧客が目にしたくないもの、つまり害虫を監視し続けてくれるのです。
システムが害虫を検出して対処し、Anticimexの専門家が継続的にトラップの配置の見直しを行います。このAnticimex Smartシステムは、Anticimexイノベーションセンターの研究開発チームによって生み出されました。システムとその製品には、Anticimexならではの最新の研究成果と技術が盛り込まれています。
では、Anticimex Smartがどのように機能するかをご説明しましょう。具体的には、現地調査から継続的な害虫防除までの3つのステップがあります。ステップ1は「設置場所の分析と計画立案」です。Anticimexは顧客の設置場所を検査し、利用可能な記録を確認し、主な関係者に聞き取り調査を行います。これらの調査内容に基づいて、最適なソリューションを提案します。すでに害虫の侵入が発生している場合、Anticimexが即座に対処します。
ステップ2は、「トラップ設置とコネクティビティ確保」です。ステップ1の計画に基づいて侵入検知センサーを戦略的に配置し、毒を使わずに害虫を効率的に処理するトラップを設置します。Anticimex Smartユニットにはコネクティビティが導入されているため、Anticimex Smartデータハブに向けてレポートの送信が開始されます。
ステップ3は、「顧客の負担感がないサービスの実施」です。Anticimexが定期的に検査を行い、必要に応じてトラップを空にして再配置します。また、データの分析に基づき、顧客に必要な情報を提供します。Anticimexからの報告のおかげで、顧客は他の作業に集中できるようになります。設置場所の分析とAnticimex Smartの設置が完了すれば、顧客はすぐにその成果を実感することができます。
成果
コネクテッドトラップの導入は迅速に行われ、Anticimexに成功をもたらしました。 Telenor Connexionが提供するグローバル接続ソリューションは、24時間365日の監視サービスとIoT専門チームによるサポート保証がついているため、24時間体制で機能し続けます。
2020年2月現在、世界中に約15万台のトラップとセンサーが設置され、各国のモバイルネットワークに接続されています。世界中で毎年、何百万匹ものネズミが捕獲され続けています。Anticimexは世界18市場でトラップを設置し、収益に占めるスマートサービスの割合は9%。新規市場への参入速度が従来よりも迅速かつ容易になったため、これらの数値はいずれも前年比で増加しています。
Anticimexにとってスマートシステム導入の最大の利点は、サービス運用の効率改善です。その結果、顧客体験が向上するため、エンドユーザーにも利益がもたらされます。24時間体制の監視は、Anticimexが害虫の侵入を常時監視して即座に対処し、顧客に報告できることを意味します。トラップは毒ではなくバイオサイド(殺生物剤)を使用するため、環境面でも優れています。害虫は検出困難な場所に隠れることが得意ですが、Anticimexが死角を見つけることで大規模な侵入を防ぐことができます。その結果、Anticimexでは客先で実際の問題が発生する前に、問題点を発見できるようになりました。IoTが害虫駆除業界に革命をもたらし、エンドユーザー、企業、環境のすべてに利益をもたらしたのです。
「私たちは最新テクノロジーの採用により、従来よりも柔軟で環境にも優しく、より効率的なサービスをお客様に提供しています。私たちはまた、提供した商品とサービスが長期使用に耐えるものであるとお客様にご安心いただけるように、持続可能なソリューションの実現に努めています」”
-Anticimex社CTO Ulf Eripe氏