世界では現在、およそ2,800万から3,100万個の輸送用コンテナが使用されています。そこに毎年、数百万個ものコンテナが加わっているため、コールドチェーン(低温物流体系)などにおける個々のコンテナの位置と状態を把握する作業は、ますます複雑になっています。その他にも紛失や盗難、税関や港湾局での手続きなど、輸送コストの上昇や配送の遅れをもたらす数々のリスク要因が存在しています。
これらの長年にわたる問題点について、新たなソリューションを見出すべく、CIMC社ではインテリジェントな技術を製品に組み込むことを目的とした子会社、CIMC HiTech社を設立しました。同社は複数のセンサーと追跡装置をコンテナに組み込み、グローバルな追跡を可能にしました。
コンテナがリアルタイムに近い条件でデータを送信するためには、海上と陸上のどちらでもコネクティビティを確保する必要があります。つまり、選択肢はモバイルネットワークしかありません。コンテナは複数の国と大陸をまたいで移動するため、CIMC HiTech社では、グローバルなローミングサービスをまとめて1社で提供できる接続プロバイダを必要としていました。
輸送用コンテナのライフサイクルは10年以上に及びます。その点を考慮すると、CIMC社 が必要としていたのは、将来も継続的に利用可能なSIMカードと、費用のかかる野外での交換作業の必要がなく、双方向通信によるアップデートが可能な通信モジュールでした。つまり、CIMC HiTech社が必要としていたのは、長寿命に加えて安定性・信頼性の高いIoTコネクティビティであり、そのような技術を提供してくれるパートナーだったのです。