スカニア:トラックのリアルタイム情報を有効活用

世界的トラックメーカーのスカニア(Scania)社では、走行時の安全性やパフォーマンス、経済性の向上を目指して、トラックにコネクティビティを導入しました。同社の高品質なサービスにおいて、私たちがどのように貢献しているかをご紹介します。

Home / Japanese / IoT導入事例 / スカニア:トラックのリアルタイム情報を有効活用

ポイント

背景

スカニア(Scania)社は世界100カ国以上で販売・サービス拠点を展開するグローバル企業です。同社はトラックを所有する各国のオーナーに対して数々のソリューションを提供し、顧客のビジネス展開と収益拡大に貢献してきました。

トラックで利益を生むには、車両を走らせ続ける必要があります。では、トラックの利用を最適化すること、つまり稼働停止時間をできる限り短くし、同時に経費と排出ガスを削減するためには何が必要でしょうか。

トラックにコネクティビティを導入することにより、各種の重要情報をリアルタイムで得られるようになります。燃費や車両の状態、現在位置などの情報は、日々の車両管理業務において非常に重要です。これらの情報を活用することで、燃費の改善や稼働率アップに向けたアフターサービスをタイミングよく実施できるようになります。

挑戦

スカニアの車両管理システムのように、重要なサービスのグローバル展開を目指す際には、大きな困難が伴います。

スカニアのトラックが世界中のどこでも必要なサポートを受けられるようにするために、Telenor Connexionでは新たなアイデアとソリューションを導入し、数々の困難を乗り越えてきました。スカニア社の最終目標は、従来よりも費用対効果の高いソリューションの導入を通じて、生産性とパフォーマンス、そして収益率を高め、同時に排出ガスを削減することです。

ソリューション

車両情報をリアルタイムで確認できることは、燃費削減などの多くのメリットを車両オーナーにもたらします。スカニア社では、コネクティビティを導入したサービスにより、オーナーが必要とするすべての情報を提供できるようになりました。それには遠隔診断や運転指導に利用できるタコグラフの自動レポート機能なども含まれています。独自設計の使いやすいシステムのおかげで、ユーザーは日常的にこのシステムを使用するようになりました。それに伴って詳細な分析機能も活用されるようになり、結果として大きな効果を生んでいます。

スカニア車両管理ポータルのような扱いやすいツールは、車両オーナーにとって非常に付加価値の高いサービスとなります。それによりスカニア社では、顧客との関係性がますます強化されるという好循環が生まれています。

もう1点、重要なのが車両の稼働時間です。スカニア社では、稼働時間を増やし、整備工場との連絡を密にするためのサービスをいくつか導入しています。コネクティビティが導入されているトラックは、未対応の故障個所や車両の診断データについて、車両オーナーへの報告を自動的に行います。この情報により、車両オーナーはアフターサービスを計画的に利用し、稼働停止時間を減らすことができるのです。

成果

車両とドライバーについての正確な情報を把握し、ドライバーに対して適切な指導を行うことにより、燃費を10%も削減することができます。これは経費と排出ガスの削減にもつながります。トラックは1年で20万km以上も走行するため、10%の節約は車両オーナーの収益率に大きな影響を与えます。

スカニア社とTelenor Connexionの間には緊密な連携があり、パートナーシップによって実現した新機能と対応地域は、さらに広がりつつあります。両社のプロジェクトチーム間では、技術的ソリューションに加えて、検査や物流、運用に関するさまざまな側面についても最適化に向けた継続的な対話が行われています。

運輸業は社会に必須の産業であり、輸送インフラに関連する多くの領域、例えば通行料の徴収や交通規制などにもコネクティビティがすでに導入されています。そのためTelenor Connexionでは、スカニア社が今後、コネクティビティによるチャンスを最大限に活かしていくことを確信しています。

「私たちのお客様が求めているのは、詳細な情報です」
スカニア社 車両・ドライバーサービス部門 取締役 カーリン・ランドストローム氏